茨城県那珂市にある核融合実験炉JT60では、今から約四半世紀前に重水素実験が始まった。一方、岐阜県土岐市にある核融合科学研究所の大型ヘリカル装置の重水素実験は、昨年春にようやく始まった。地域住民の反対で遅れぎみなのは知っていたが15年以上遅れていたことは下の記事で始めて知った。しかもトリチウムを含め排水は日本アイソトープ協会に引き渡すようだ。
多分、311以降のトリチウム関連の問題が影響したのだろうが、本当にそれで良いのか? いずれ実現するかもしれない核融合発電炉では、必ずやトリチウム含有排水は発生する。その時もアイソトープ協会に引き取って貰うつもりか? 商業炉であれば、今の原発と同じく希釈して排水するしかないだろう。それならば、トリチウム発生量が少ない実験装置だからこそ、希釈して排水するべきである。もちろん、住民への説明は大変だろう。しかし、地上の太陽、すなわち核融合発電を夢見るものならば、すべからく説得に全力を尽くすべきであった。もちろん、この問題を余計にややこしくしてしまった
「福島第一原子力発電所の排水中の放射性核種を殆ど除去可能な多核種除去設備 (ALPS)でも除去できないトリチウム」は希釈して排水するしかないことの説明から始めなければならなかった。
そういうことがあまり為されなかったと言うことは、核融合に携わる人たちが福島のトリチウムを他人事として認識しているからだろう。と言うことは、将来日本で商業用核融合発電がトリチウムの安全性で不可能になっても構わない、すなわち今自分が携わっている研究を邪魔されなければそれで良いのである。しかし、巨額な予算を扱うことは説明責任が生じる。もしそれを核融合関係者が面倒くさがるならば、即刻他の分野に予算を回すべきである。
https://www.asahi.com/articles/ASK355VMPK35OIPE00K.html
やはり漁協は強かった~今こそ核融合のトリチウム屋は声を挙げるべきである~核融合の専門家はトリチウム汚染水について発言したのか?